2010年12月30日木曜日

DAY31-32 (2010/4/25-26 西寧②):中国

(旅を振り返り日記を綴ります)

西寧は、前にも書いた通り人口8割が漢民族。イスラム文化やチベット文化を抱えつつも中国です。

休日の朝。
高層マンションにあるユースホステルの窓から向かいの公園を眺めると・・・
なんだなんだ、アリンコがモゾモゾしているような・・・。


さすが!健康中国。早朝から体操ですか。楽しそう~。


そこで、私たちも公園デビューしました。
ただし、輪の中には入る勇気はなく、私たちは遊具止まりです。朝のこの時間帯は、あまり20-30代はみかけませんね、私たちを除いて。
 
  

午後には、若い人たちがサッカーをしています。


西寧も建設の波。
高層ビルが建設されはじめています。


 

中国の三大宗教(儒教・仏教・道教)の一つ道教(Taoism)の寺院、北禅寺。
道教の寺院のうち、青海省で最も古く、北魏の明帝の時代に建立されたそうだ。漢民族の古来の宗教である道教の寺院を訪れるのは、ここがはじめて。多くの道教や仏教の寺院は文化大革命により宗教が禁じられ破壊されましたたが、今では寺院も修復されはじめ、宗教活動も再開しているようです。
  

この陰陽の太極図を見ると、ハワイ生まれのサーフブランド・タウン&カントリー、マクロビオティック、中国思想や陰陽師が思い浮かぶでしょうか。これは、道教のシンボルなのですね。現在でも台湾や東南アジアの華僑・華人の間ではかなり根強く信仰されているそうですが、漢民族の中国人の人たちを見ていると、信仰としての宗教よりもその影響を受けた道徳や健康法などの方が生活に溶け込んでいるようです。
 

太極図は宇宙、つまり、万物の生まれた過程を表しているそう。
万物の根源(太極)から、陰陽の2元が生じる。混沌状態(カオス)から、明るい気(陽)が上昇して天となり、暗い気(陰)が下降して地となったとされる。



陰陽の思想とは、二つの気の働きによってあらゆる物事の事象を理解することで、自然のバランスが保たれる状態に向けて、陰と陽の調和を目指すものだといえそうです。これって、持続可能な社会=将来の子どもたちも気持ち良く暮らせる社会、につながる考えですね。

陰陽の区分には、例えば次のようなものがあります。陰はネガティブなものではなく、陰陽がともに存在しなければ成り立たちません。

<陰・陽>
受動的な性質・能動的な性質
闇・光
暗・明
柔・剛
水・火
冬・夏
夜・昼
植物・動物
女・男 など

マクロビオティックは、この陰陽の考えをもとに、人間のバランスを食材・調理方法で整える食生活法。第二次世界大戦後に食文化研究家・桜沢如一氏により考案された日本生まれの比較的新しい食事方法なんですね。

陽性の状態が強いときは陰性よりの食事を、陰性の状態が強いときは陽性よりの食事を、という考えで食生活を調整するそうです。食の陰陽判断も参考にしつつも、理論を細かく学ぶのは時間を要するので、まずはその土地の旬の野菜を中心に自分が食べたいものを選んで、心身ともに健康的な状態作りをできればいいな。

最後に、道教の寺院の壁に描かれていた地獄絵について。
こういった地獄絵、日本で見かけたことありますよね(ここまではっきりと書かれたものはそれほど多くはないような気がしますが)。地獄の思想はもともとは古来インドだそうですが、閻魔(えんま)様で表される地獄思想は、中国に伝わった後に道教で説かれた死後の世界と合わさって生まれたそうです。ちなみに、道教は不老不死の仙人になることを理想とする宗教で、厳しい修行を通じて、不死の薬を練ったり自身の気を練って自己を鍛錬していくそう。悪行を行うことは、自身の命を損ない地獄へ至ると考えられた、そこで地獄思想が体系化されたようです(参考:日本への伝搬)。

 

ところで、「閻魔様に舌を抜かれる」という表現は中国でも伝わるのかなと思いました。先日、ここロンドンで中国語を学んでいるときに、先生が「来生とは、Next Lifeのことね」と言ったことに対し、「そうだよね」と理解する私たちに対して、フランス人ら西洋人はポカンと口を開けていました。これは一例ですが、アジアの国の人たちは近い道徳観をもっているのでしょう。共感できる機会をもっと増やしたいものです。

Nobu

DAY31-32 (2010/4/25-26 西寧①):イスラム

(旅を振り返り日記を綴ります)



イスラム街のわき道で撮った一枚。好きな写真の一枚。


東関清真大寺。
青海省最大のイスラム教寺院。明代の1380年の創建で、約600年の歴史を持ち、中国西北地区におけるイスラム教学問センターの役割をになってきた』と解説されていますが、その佇まいには風格があります。


記念撮影もしている人がいたり、孫を連れて散歩にきているおじいさんいます。かわいらしい黄色の花を咲かせた一本の木が、幾何学的に美しく形作られた空間を和らげています。
 

皮をなめす職人さん。
私たちを警戒せず仕事場にも入れてくれました。彼の孫が、高値で売れた毛皮(虎の)の写真を誇らしげに見せてくれました。


中国では、孫がよくおじいちゃん・おばあちゃんと一緒にいる光景を目にします。この子もおじいちゃんっ子です。その孫と友達。
 

子育て中のお母さん。
若すぎやしません?


イスラム街。
お店に入って筆談をオーダーしようとしましたが、理解できないスタッフもいました。
 

物乞い。
イスラム街近くには、これまで歩いた街の中で最も多くの物乞いをみかけました。身なりはそれほど悪くなかった印象があります。


Nobu

DAY30 (2010/4/24 西安→西寧):ここは異国?

(旅を振り返り日記を綴ります)

前日、西安を出て・・・


朝起きると、
広がる畑の向こうに緑の少ない山が連なり・・・


そんな風景を眺めるうちに、
枯れた川と黄土色の一帯が広がる・・・


甘粛省の省都・蘭州に近づくと、
極太の煙突が並んで・・・


更に西寧へ向けて進むと、
開発され始めている砂漠地帯を抜け・・・


西寧へ到着。


青海省の省都・西寧(西宁:Xining)。

青海省の人口は『約539万人で漢民族が54%、チベット族23%、回族16%の順となっております』とあり、「地球の歩き方・チベット編」によると西寧の人口の8割が漢民族だそうですが、これまで訪れた東側の漢民族が大半を占める中国とは、地理・文化的に違う部分を大きく感じます。別の国にきた印象を受けるのは自然ではないでしょうか。ここ西寧も歴史をみると、前漢の時代から軍事拠点となっていたんですね。


Nobu

2010年12月28日火曜日

DAY27-29 (2010/4/21-23 西安③):食の西安

(旅を振り返り日記を綴ります)

刀削麺。
陝西省の西安まで来ると、街を歩けば刀削麺のお店に出くわします。刀削麺は陝西省の隣り、山西省生まれの麺。刀を振って麺を鍋に投入する光景、文化ですねぇ。ここの刀削麺2回食べたのですが、2度目は「不要味精」=「味精(=化学調味料)は入れないで」と伝えてみたところ、塩っぽすぎて食べきれませんでした。つまり、味精の代わりに塩をドバッと振りかけて出されたわけです。
 


拉麺
 

健康麺だそうです。ベジタリアン向け?
 

おばちゃんの一から手作りの麺。御世辞じゃなく美味しかった!おばちゃんたちは毎日麺・スープづくりを一からしているんですよね。お店はボロイんですけど、出来たてフレッシュ麺です。





うどん風?


超太麺


蒸し麺?
 

都だったからでしょう。西安以外の地方料理もあります。東北料理のお店では名物・水餃子を。


Sustainability:「どうも同じような味がする」1か月ほど庶民的な店を中心に、中華料理を食べ楽しんできているわけですが、なんだか気になり始めました。「これは化学調味料の味かも」ということに薄々気が付き始め、調理場に注意すると、仕上げに白い粉をパッと振りかけていたわけです。以来、「不要味精」=「味精(=化学調味料)は入れないで」と伝えることにしたのです。やっぱり、自然な旨みの料理を楽しみたいと思いますよね。

Nobu